三種混合ワクチン(トリビック)接種のご案内
百日咳・ジフテリア・破傷風から、あなたと大切な人を守るために
はじめに:そのしつこい咳、ただの風邪ではないかも?
風邪の他の症状は治まったのに、咳だけがいつまでも続く…そんな経験はありませんか?多くの方が、数週間、時には数ヶ月も続くしつこい咳に悩まされています。単なる「風邪の治りかけ」や「咳が長引いているだけ」と思いがちですが、その背後には「百日咳」という感染症が隠れている可能性があります。
百日咳は、大人では典型的な症状が出にくいため見過ごされがちですが、非常に感染力が強く、特にワクチン接種を完了していない赤ちゃんにとっては命に関わることもある病気です。そして、その赤ちゃんへの感染源は、多くの場合、咳をしている大人なのです。
当院では、成人の方にも接種可能な百日咳含有ワクチン「トリビック」を入荷し、皆様の健康と大切なご家族を守るために、積極的な接種をおすすめしています。この記事では、大人の百日咳の実態と、ワクチン接種の重要性について詳しく解説します。
大人の百日咳について知りましょう
百日咳とは?

百日咳感染症の増加傾向
都内の2023年の報告数は116件でしたが、2024年は400件と3倍以上に増加しています。
年代別では15歳までの報告が6割以上ですが、成人でも報告されています。また、接種後時間が経つと、百日咳に対する効果が低下することが知られており、百日咳含有ワクチン4回接種者の報告数は194人と半数近くになっています。
2025年11週時点で既に267件と増加傾向が続いています。
疾患の特性
百日咳は、主にワクチン接種が始まる前の乳児またはワクチン未接種の小児が発症していましたが、近年ではワクチン効果が減弱した青年・成人層の感染が新たな問題となっており、青年・成人保菌者が乳幼児の感染源となることが指摘されています。
日本では1948年に百日せきワクチンが導入され、1950年から予防接種法に基づく定期接種になりました。その後のワクチンの普及とともに百日咳患者は激減しました。しかし、現行の精製百日せきワクチンの免疫持続期間は4~12年とされ、多くの先進国で青年・成人患者の増加が認められています。
図1.百日咳患者報告数の年次推移
図1は米国、オーストラリア、オランダ、英国(イングランドおよびウェールズ)および日本の年間報告数を示した。ただし、届出基準やサーベイランスシステムは各国で異なる。日本は全国約 3,000 か所の小児科定点からの報告数。各国保健省等のホームページから作図した。
日本では2002年以降小児科定点から報告される成人患者数が急増し、2007年には複数の大学で大規模な集団感染事例が発生しました。2008~2010年には全国的な百日咳流行が発生し、報告患者数のうち青年・成人患者は全体の40.7~52.9%を占めました。また、保育所、小・中学校などでも集団感染事例が認められ、近年では低年齢層を中心とした地域的な流行が散発しています。
百日咳の主な原因菌は百日咳菌(Bordetella pertussis)であり、ヒトの気道上皮に感染することにより乾性咳嗽や発作性の咳を引き起こします。百日咳菌以外にヒトに感染する百日咳類縁菌としてパラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)とBordetella holmesiiが挙げられます。ただし、日本の感染症法に基づく医師の届出では、百日咳は「Bordetella pertussisによって起こる急性の気道感染症」と定義されています。
百日咳菌と百日咳類縁菌の大きな違いは百日咳毒素(PT)の産生能にあり、パラ百日咳菌は百日咳毒素遺伝子のプロモーターが機能していないためPTを産生することができません。そのため、パラ百日咳菌は百日咳菌に比較して感染時の症状が軽いとされています。
なぜ大人も百日咳に気をつけなければいけないの?
周囲の子どもへの感染が高まるからです
百日咳ワクチンの予防効果は、3~5年で徐々に弱まり、10~12年後には完全に消滅します。そのため子どもの頃に接種したワクチンの効果が消滅した時期に、百日咳に感染する大人の患者が増えています。2010年では、20歳以上の感染者数が全体の50パーセントを上回っています。しかし、大人では激しい咳発作が見られないのが特徴。そのため、大人が感染しても単なる咳として放置されやすく、重症化しやすい子どもへと感染を広げてしまうことが問題となっています。

親が子どもへの感染源になることがあります
10カ月の男の子が夜間の咳き込みで受診し、百日咳と診断されました。問診により2週間前から父親が咳をしていたことが分かり、父親が子どもへの感染源であることが判明しました。2週間後、母親が軽い咳をし始め自然に治りましたが、百日咳と診断されました。両親には子どもに見られるような激しい咳発作はなく、子どもの発症がなければ百日咳の診断は難しかったといえます。大人から子どもへの感染を防ぐためにも、咳が長引いたら早めの受診が肝心です。
どうやって感染するの?

大人の症状:典型的ではない「長引く咳」とその影響

大人の百日咳で最も多いのは、しつこく続く咳です。数週間から、長い場合は2~3ヶ月にわたって咳が続くことがあります。咳の発作自体は非常に多く(70~99%)、特に夜間にひどくなる傾向があります(夜間の咳発作 61~87%)。その他にも、息を吸う時にゼーゼー、ヒューヒューという音(喘鳴)がしたり(8~82%)、咳き込んだ後に吐いてしまったり(咳後嘔吐 17~65%)、発熱(87%)、鼻水(58%)、喉の痛み(31%)などの症状が見られることもあります。たとえ典型的な「ヒューッ」という音がなくても、咳自体は非常に激しく、様々な合併症を引き起こす原因となります。
大人が経験しうる合併症
大人の百日咳は、単に咳が長引くだけではありません。激しい咳によって、日常生活に支障をきたす様々な合併症が起こり得ます。これらは決して軽視できません。
睡眠障害・不眠
夜間の激しい咳発作で、ぐっすり眠れなくなる方が非常に多いです。
体重減少
長引く咳による体力消耗や食欲不振から、体重が減ってしまうことがあります。
尿失禁
咳き込むことでお腹に強い圧力がかかり、思わず尿が漏れてしまうことがあります。特に出産経験のある女性に起こりやすい傾向があります。
失神
激しく咳き込むと、一時的に脳への血流が低下し、気を失ってしまうことがあります。
肋骨骨折
咳の物理的な衝撃で、肋骨にひびが入ったり、折れたりすることがあります。「咳をすると胸が痛い」と感じて受診し、レントゲンで骨折が見つかるケースもあります。
無呼吸発作
赤ちゃんほど顕著ではありませんが、大人でも咳発作時に一時的に呼吸が止まることがあります。
副鼻腔炎・中耳炎
咳や鼻の炎症が波及し、副鼻腔炎や中耳炎を併発することもあります。
なぜ大人では診断が難しいのか
大人の百日咳は、症状が典型的でないため、単なる風邪や気管支炎、咳喘息などと間違われやすいのが現状です。診断を確定するための検査にも、いくつかの難しさがあります。
- 細菌培養検査: 百日咳菌を喉などから採取して培養する方法ですが、特に症状が進んでからや、ワクチン接種歴のある大人では菌の検出率が低く(成人で約9%)、診断が難しいことがあります。菌が見つかるのは、咳が出始めてからの初期(カタル期)に限られることが多いです。
- 血液検査(抗体検査): 血液中の百日咳菌に対する抗体の量を調べる検査です。感染を確認できますが、感染初期には抗体が上昇しないため、早期診断には向きません。通常、2週間以上の間隔をあけて2回採血し、抗体価が4倍以上に上昇していることを確認する必要があります。あるいは、1回の採血でも非常に高い抗体価が確認されれば診断の助けになります。
- 遺伝子検査(LAMP法・PCR法): 喉の奥などを綿棒でこすって採取した検体から、百日咳菌の遺伝子を検出する方法です。比較的早期から検出が可能で、感度も高いとされています。しかし、症状が典型的でないために百日咳が疑われず、検査が行われないケースも少なくありません。
このように診断が難しいことから、大人は自分が百日咳にかかっていることに気づかないまま、感染源となって周囲の人、特に抵抗力の弱い赤ちゃんにうつしてしまうリスクが高まります。症状が軽いから、特徴的な咳がないからといって安心はできません。むしろ、そうした「隠れ百日咳」こそが、感染拡大の大きな要因となっているのです。
なぜ大人のワクチン接種が重要なのか:自分と大切な人を守るために
子供の頃の免疫は消えていく? ワクチン効果の減衰
多くの方が子供の頃に、百日咳を含む三種混合(DPT)や四種混合(DPT-IPV)ワクチンを接種しています。しかし、これらのワクチンによって得られた免疫(抵抗力)や、過去に百日咳にかかったことによる免疫は、残念ながら一生続くわけではありません。
一般的に、ワクチン接種後あるいは自然感染後、約4年から12年ほどで免疫効果は徐々に低下していくと考えられています。そのため、子供の頃にしっかり予防接種を受けていても、思春期以降になると再び百日咳にかかるリスクが高まります。これが、近年、大人の百日咳患者が増加している大きな理由の一つです。実際に、ワクチン接種後の抗体価が時間とともに低下していくことは、多くの研究で示されています。つまり、百日咳の予防は、子供の頃に完了するものではなく、大人になってからも継続して考える必要があるのです。
ご自身の健康のために
まず第一に、ワクチン接種はあなた自身の健康を守るために重要です。百日咳にかかると、数週間から数ヶ月にわたる執拗な咳に悩まされるだけでなく、睡眠不足、尿失禁、肋骨骨折といった、つらい合併症を引き起こす可能性があります。
健康な大人であれば命に関わることは稀ですが、長引く咳と合併症は、仕事や日常生活、社会活動に大きな支障をきたし、QOL(生活の質)を著しく低下させます。ワクチン接種は、こうした苦痛を回避するための有効な手段です。
赤ちゃんを守る「まゆ(Cocoon)戦略」
大人の百日咳ワクチン接種が特に重要視される理由の一つが、抵抗力の弱い赤ちゃんを守るためです。生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、まだ百日咳ワクチンの定期接種を完了しておらず、百日咳に対する免疫が十分ではありません。
そして、悲しいことに、これらの赤ちゃんへの感染源の多くは、身近な大人(両親、祖父母、兄弟姉妹、保育者など)なのです。大人が軽い咳症状で気づかないうちに百日咳菌を排出し、赤ちゃんにうつしてしまうケースが後を絶ちません。
「まゆ(Cocoon)戦略」とは、赤ちゃんを取り囲む大人たちがワクチンを接種することで、免疫の壁を作り、赤ちゃんを繭(まゆ)のように感染症から守ろうという戦略です。
地域全体の感染予防にも貢献
あなたがワクチンを接種することは、地域社会全体の感染予防にも貢献します。ワクチンを接種する人が増えれば、地域社会における百日咳菌の循環が減少し、結果として、赤ちゃんだけでなく、免疫力が低下している方など、他の感染弱者を守ることにも繋がります(集団免疫)。あなたのワクチン接種は、個人の健康を守るだけでなく、社会全体の公衆衛生に貢献する行動なのです。
大人の百日咳ワクチン接種をおすすめしたい方
百日咳ワクチン(トリビック)の接種は、基本的にすべての大人が追加接種の対象となり得ますが、特に以下のような方々には、ご自身と周りの大切な人を守るために接種を強く推奨します。
すべての大人の追加接種として
子供の頃のワクチン接種から時間が経ち、免疫が低下している可能性のあるすべての方。特に、最後の百日咳含有ワクチン接種から10年以上経過している場合は、追加接種を検討する価値があります。
特に推奨される方々:
- 赤ちゃんと接する機会の多い方: ご両親、祖父母、兄弟姉妹、保育士、ベビーシッターなど、日常的に乳幼児と接する方は、「まゆ戦略」の観点から非常に重要です。お孫さんの誕生を控えている祖父母の方にも、ぜひ接種をおすすめします。
- 妊娠中・妊娠を希望される方とそのご家族: 妊娠中のワクチン接種(特に妊娠27週~36週が推奨されることが多い)は、お母さん自身の感染予防に加え、抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、生まれた直後からの赤ちゃんの百日咳予防に繋がるため、海外では広く推奨されています。当院では、最新の知見に基づき、医師が個別にリスクとベネフィットを評価した上で接種の可否を判断しますので、妊娠中の方、妊娠を希望される方、そのご家族は、ぜひ一度ご相談ください。
- 医療・介護・保育・教育関係者: 感染リスクが高い環境にいるだけでなく、免疫力の低い患者さんや子供たちに感染を広げてしまうリスクもあるため、接種が強く推奨されます。
- 咳が長く続く方: 診断が難しい百日咳の可能性を考慮し、予防・診断の一環として接種を検討することがあります。
当院で扱う「トリビック」ワクチンについて
どんなワクチン?
トリビックは、百日咳(Pertussis)、ジフテリア(Diphtheria)、破傷風(Tetanus)の3つの病気を予防する混合ワクチンです。分類としては「DTaPワクチン(沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン)」にあたります。もともとは乳幼児の定期接種用に開発されたものですが、2016年頃から、免疫が低下した成人への追加接種用としても承認され、使用されています。
接種方法は、通常、1回0.5mLを皮下(または筋肉内)に注射します。
効果について
トリビックの接種により、時間の経過とともに低下した百日咳、ジフテリア、破傷風に対する免疫を再び高める(追加免疫・ブースター効果)ことができます。国内で行われた臨床試験では、成人にDTaPワクチン(トリビックに相当)を接種した結果、これらの病気に対する抗体価が有意に上昇することが確認されています。
ワクチンによる予防効果は100%ではありませんが、研究によればDTaP/Tdapワクチンの初期の有効性は約80~85%と推定されています。また、たとえ感染しても、症状を軽くしたり、重症化を防いだりする効果が期待できます。ワクチンの効果は時間とともに徐々に低下していく可能性はありますが、追加接種によって感染リスクや他者への感染伝播リスクを大幅に減らすことができるのは間違いありません。
考えられる副反応
ワクチン接種には、まれに副反応が起こる可能性があります。トリビックは小児用のDTaP製剤であるため、成人への接種では、海外のTdapワクチンと比較して注射部位の局所反応がやや強く出ることがあります。しかし、その多くは一時的で軽度なものです。
主な副反応:
注射部位の反応(局所反応):
- 赤み(発赤)、腫れ(腫脹)、痛み(疼痛)、しこり(硬結)、かゆみ、熱っぽさなどが比較的高頻度に見られます。
- しこりは、ワクチンに含まれるアジュバント(免疫補助剤)の影響で、1ヶ月以上残ることもあります。
- 特に複数回の接種を受けた方で、局所反応が強く出ることがあります。
全身反応:
- 発熱、頭痛、だるさ(倦怠感)、筋肉痛、下痢、嘔吐などが起こることがありますが、通常は軽度で、数日以内に治まります。
まれな反応:
- 発疹、じんましんなどのアレルギー反応。
- 注射による緊張や痛みから、一時的に気を失ったり(失神)、ふらついたりする血管迷走神経反射が起こることがあります。転倒を防ぐため、接種後30分程度は安静にして様子を見ることが推奨されます。
重篤な副反応が起こることは極めてまれです。
接種をご希望の方へ:予約と流れ
当院での百日咳ワクチン(トリビック)接種をご希望の方は、以下の流れでご予約・接種いただけます。
ご予約方法
WEB、お電話または受付にてご予約ください。ワクチンの在庫状況を確認する必要があるため、事前のご予約をお願いしております。にてご予約ください。ワクチンの在庫状況を確認する必要があるため、事前のご予約をお願いしております。
接種当日の流れ
受付: ワクチン接種は自費診療となります。予診票をお渡ししますので、ご記入をお願いします。
問診・診察: 医師が体調を確認し、ワクチン接種の可否を判断します。接種に関する疑問や不安な点があれば、遠慮なくご質問ください。特に、過去のワクチン接種歴やアレルギー歴、現在治療中の病気や服用中の薬、妊娠・授乳の有無などについて、正確にお伝えください。
接種: 医師または看護師がワクチンを接種します(通常、上腕の筋肉または皮下に注射します)。
接種後: 接種後、院内で15分~30分程度、安静にして様子を見ていただきます。これは、まれに起こる急なアレルギー反応(アナフィラキシー)や血管迷走神経反射に備えるためです。
お会計: 自費診療となります。料金は5,000円(税込)です。
接種後の注意点
接種当日は、激しい運動や過度の飲酒は避けてください。入浴は可能ですが、注射部位を強くこすらないようにしましょう。注射部位の腫れや痛みが気になる場合は、冷やすと和らぐことがあります。発熱などの副反応が出た場合は、必要に応じて医師にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
成人の百日咳ワクチン追加接種の最適な間隔について、日本で明確な推奨はまだ確立されていません。しかし、免疫が約10年で低下することを考慮し、米国などでは10年ごとのTdapワクチン(破傷風・ジフテリア・百日咳)の追加接種が推奨されています。特に乳幼児と接する機会が多い方などは、10年を目安に追加接種を検討することが考えられます。医師にご相談ください。
インフルエンザワクチンなど、他のワクチンとの同時接種は原則可能です。ただし、ワクチンの種類や接種する方の健康状態によって判断が異なりますので、必ず事前に医師にご相談ください。同時接種を行う場合は、異なる部位に接種します。
海外では妊婦へのTdapワクチン接種が推奨されていますが、国内で使用されているトリビック(DTaP)の妊婦への安全性データは限られています。しかし、百日咳から母子を守るメリットは大きいと考えられます。当院では、リスクとベネフィットを慎重に評価した上で、ご本人と相談しながら接種の可否を判断します。妊娠中または妊娠の可能性がある方は、必ず事前に医師にご相談ください。
百日咳に一度かかっても、免疫は永続するわけではなく、数年で低下し再感染する可能性があります。そのため、過去に罹患歴がある方でも、ワクチン接種による免疫の強化が推奨されます。
トリビックの主な副反応は注射部位の腫れや痛みなどの局所反応ですが、多くは一時的です。百日咳にかかった場合のつらい症状や合併症のリスクと比較して、ワクチン接種のメリットは大きいと考えられます。ご心配な点は、接種前に医師に遠慮なくご相談ください。
あなたの咳、そして大切な人を守るために
長引く咳。それは単なる不快な症状ではなく、あなた自身の健康を損ない、そして何よりも、あなたの周りにいる大切な人、特に免疫力の弱い赤ちゃんを危険にさらす可能性のある「サイン」かもしれません。
大人の百日咳は、見過ごされやすい「隠れた感染症」です。しかし、その感染力は強く、ワクチン接種を終えていない赤ちゃんにとっては、命に関わる深刻な事態を引き起こしかねません。そして、その感染源は、多くの場合、咳をしているあなた自身かもしれないのです。
幸いなことに、私たちには「ワクチン接種」という有効な予防策があります。当院で導入した「トリビック」は、成人の方にも接種可能な百日咳含有ワクチンです。このワクチンを接種することは、
- あなた自身の健康を守り、 長引く咳や合併症の苦痛から解放します。
- 大切な赤ちゃんを感染から守る、 最も効果的な方法の一つです(まゆ戦略)。
- 地域社会全体の感染予防に貢献する、 責任ある行動です。
子供の頃の免疫は、残念ながら時間とともに薄れていきます。今こそ、ご自身の免疫力を再確認し、必要であればワクチンで強化するタイミングです。特に、赤ちゃんと接する機会のある方、ご家族に妊婦さんがいる方、医療・介護・保育関係者の方々には、積極的な接種をご検討いただきたいと思います。
副反応についてご心配な点もあるかと存じますが、百日咳そのもののリスクと比較すれば、ワクチン接種のメリットは非常に大きいと言えます。当院では、医師が丁寧に説明し、安心して接種を受けていただけるよう努めてまいります。
その咳、放置しないでください。まずは一度、当院にご相談ください。あなたの一歩が、あなた自身と、あなたの周りの大切な人の健康を守ることに繋がります。
コメント