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医療関係者に求められるワクチン接種と免疫対策
麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘についてはそれぞれ弱毒生ワクチンがあり、広く国内でも使用されている。麻疹、風疹ではそれぞれ単独のワクチンもあるが、二つのワクチンを混合した麻疹・風疹二種混合ワクチン(MRワクチン)が頻用されている。2014年4月現在、麻疹、風疹ワクチンは定期接種として、1歳以降に2回の接種が行われており、また2008年4月から2014年3月まで中学生及び高校生を対象としてキャッチアップ接種が実施されたため、1990年4月2日以降に生まれた者については、麻疹と風疹については2回の接種機会があったことになる。したがって、これから新たに大学や専門学校を卒業して就職してくる方たちの多くは、2回のワクチン接種を受けていることになり、十分な免疫を持っていると考えられる。ただそれより上の年齢では、ワクチンを1回しか接種していない場合や、未接種あるいは接種歴不明の医療関係者も一定の数で存在する。また流行性耳下腺炎と水痘に関しては、今後水痘が定期接種化される見込みであるが、これまではどちらのワクチンも任意接種だったので、小児期に接種を受けておらず免疫を持っていない医療関係者も少なくない。
医療関係者が麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘を発症した場合、接触のあった患者のみならず、患者の家族、医療関係者にまで感染が拡大する恐れがあるので、これらの疾患に対しては確実に免疫をつけておく必要がある。
各疾患の概要と主な症状
麻疹(はしか)
原因:麻疹ウイルス
潜伏期間:10~12日
主な症状:
‣初期(カタル期):発熱(38℃前後)、咳、鼻水、結膜充血、コプリック斑
‣その後:高熱(39~40℃)、発疹、全身の倦怠感合併症:肺炎、中耳炎、脳炎
感染力:非常に強い(空気感染、飛沫感染、接触感染) 風疹(三日はしか)
原因:風疹ウイルス
潜伏期間:14~21日
主な症状:
‣初期:軽度の発熱(37~38℃)
‣その後:発疹、リンパ節の腫れ、軽い風邪症状合併症:関節炎、血小板減少性紫斑病、脳炎
特記事項:妊婦の感染で先天性風疹症候群のリスク 水痘(水ぼうそう)
原因:水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
潜伏期間:10~21日
主な症状:
‣初期:発熱(37~38℃)
‣その後:かゆみを伴う水疱性発疹、全身への拡大合併症:細菌感染、肺炎、脳炎、帯状疱疹
感染力:非常に強い(空気感染、飛沫感染、接触感染) 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
原因:ムンプスウイルス
潜伏期間:14~21日
主な症状:
‣初期:発熱(37~39℃)、倦怠感
‣その後:耳下腺の腫れと痛み(片側または両側)合併症:無菌性髄膜炎、難聴、精巣炎・卵巣炎
感染力:飛沫感染、接触感染