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サブクレードKとは?2025年インフルエンザ大流行の症状・隠れインフルに注意

緊急2025年12月現在、インフルエンザが例年より1カ月早く大流行しています。39都道府県で警報レベルを超え、昨年同期の約22倍の患者数が報告されています。英国の大手紙ガーディアンは「10年に1度の規模の流行」になる可能性があると報道しています。

今シーズン猛威を振るっているのは、新変異株「サブクレードK」です。従来のインフルエンザとは異なる症状が見られるケースも増えており、早期発見・早期治療がこれまで以上に重要となっています。

当院では即日検査・即日治療に対応しております。痛くない新しいインフルエンザ検査「nodoca(ノドカ)」も導入しています。のどの痛みや急な発熱など、少しでも不安を感じた際は、お気軽にご相談ください。

インフルエンザ変異株「サブクレードK」とは?

インフルエンザウイルスの構造図・変異のイメージ図

サブクレードKは、A型インフルエンザウイルスH3N2亜型(A香港型)から派生した新しい変異株です。正式名称は「J.2.4.1系統」と呼ばれています。

サブクレードKの3つの特徴

流行開始が早い

2003/04シーズン以来、最も早い流行開始。例年より約1カ月早く、11月時点で警報レベルを超えています。

若者に多い

特に18歳未満・若年成人で感染が拡大しています。英国データでは18歳以下の検体の95%がサブクレードKでした。

ワクチンの型とズレる

治療薬やワクチンは一定の効果がありますが、一方で北半球向けワクチンへの反応が低く、免疫をすり抜けやすくなっているという実験データもあります。

なぜ感染が広がりやすいのか

サブクレードKの最大の特徴は、ウイルス表面のタンパク質に約7つの主要変異が蓄積していることです。特に重要なのは「S144N変異」で、これによりウイルス表面に新たな「糖鎖の盾(グライカン・シールド)」が形成されます。

この「盾」のにより、過去にインフルエンザに感染した方やワクチンを接種した方でも、既存の抗体がウイルスを認識しにくくなっています

今シーズン解析されたインフルエンザA型検体の約97%(41検体中40検体)からサブクレードKが確認されています。英国でも流行初期の検体の約90%近くがこのタイプでした。

年代別のサブクレードK検出割合(英国11月報告)

18歳以下18〜64歳65歳以上
95%84%65%

特に若い世代ほどサブクレードKの割合が高く、学校や職場での集団感染リスクが高まっています。

2025年シーズンの流行状況

全国インフルエンザ流行マップ・グラフ(都道府県別患者数)

厚生労働省の最新データ(2025年11月28日発表)によると、流行状況は以下の通りです。

全国報告患者数約20万人(第47週)
定点当たり報告数51.12人(警報レベル30人の約1.7倍)
昨年同期比約22倍
警報レベル超え39都道府県
学校等休業施設数8,817施設(昨年同期の約24倍)

東京都を含む首都圏でも感染が急拡大しており、最も多い宮城県では定点当たり89.42人と、警報レベルの約3倍に達しています。

東京都の流行状況|11月で昨年のピークと同水準に

東京都内における定点当たり患者報告数の年別推移グラフ(2025年第47週で51.69人/定点)

東京都2025年第47週(11月17日〜23日)の東京都内インフルエンザ患者数は、定点当たり51.69人となり、昨シーズン(2024-25年)のピーク時とほぼ同じ水準に達しました。

例年であれば1〜2月にピークを迎えるインフルエンザですが、今シーズンは11月の時点で昨年のピークに並ぶ異常事態です。このまま流行が続けば、過去最大規模の流行となる可能性があります。

都内の保健所別定点当たり患者報告数マップ(第45週〜第47週の推移、第47週は都内全域が警報レベル超え)

上の図は東京都内の保健所別の感染状況です。第45週(11月上旬)から第47週(11月下旬)にかけて、都内全域が警報レベル(30人以上)を超える赤色に染まっていることが分かります。

【東京都の流行推移】
・第45週(11/3-9):一部地域で注意レベル
・第46週(11/10-16):多くの地域で警報レベルに
・第47週(11/17-23):都内ほぼ全域で警報レベル超え(51.69人/定点)

池袋エリアを含む豊島区でも感染が急拡大しています。発熱やのどの痛みなど、インフルエンザが疑われる症状がある方は、お早めに受診してください。

サブクレードKの症状|従来と異なる特徴に注意

インフルエンザの症状イラスト(発熱・咳・のどの痛み・消化器症状)

主な症状一覧

従来と共通の症状

・38℃以上の高熱(85%)
・鼻水・鼻づまり(80%)
・咳(77%)
・のどの痛み(61%)
・頭痛(57%)
・倦怠感・だるさ

サブクレードKで増加している症状

注意 消化器症状
・吐き気
・下痢
・腹痛
※特に小児で顕著に現れやすい

「従来は呼吸器症状が主でしたが、消化器症状や胃腸の症状も一緒に見受けられている」という指摘もあります。また、2025年シーズンは「上気道症状が先行し、発熱が遅れて出るパターン」も報告されています。

ポイント関節痛が出にくい:サブクレードKでは関節痛の発現率が約10%と従来より低い傾向があります。「関節痛がないからインフルエンザではない」とは限りません。

「隠れインフル」にご注意ください

隠れインフルエンザのイメージ(軽い症状で気づかない人のイラスト)

重要高熱や強い関節痛などの典型的症状が出ず、微熱・軽い倦怠感のみで経過する「隠れインフルエンザ」が問題となっています。

隠れインフルエンザになりやすい方の特徴は以下の通りです。

・ワクチン接種済みの方
・鎮痛剤を常用している方
・高齢者の方(典型的な発熱が出にくい)
・過去に類似株に感染したことがある方

自覚症状がないまま周囲に感染を広げてしまうリスクがあり、放置すると重症化・合併症の危険もあります。「いつもと違う」と感じたら、軽症でも検査を受けることをおすすめします。

関節痛がないからインフルエンザじゃないですよね?

先生

関節痛がない=インフルエンザではない、とは限りません。サブクレードKでは関節痛の発現率が約10%と低い一方、消化器症状が増えています。高熱と咳・鼻水があれば、ぜひ検査をご検討ください。

こんな症状が出たらすぐに受診を|重症化サイン

重症化サイン・危険な症状のイメージ(救急・警告マーク)

インフルエンザは通常1週間程度で回復しますが、一部の方は重篤な合併症を起こすことがあります。以下のような症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください

小児(お子様)の危険信号

緊急以下の症状はインフルエンザ脳症の可能性があります。直ちに救急受診してください。

【すぐに救急受診が必要な症状】
・けいれんを起こした
・意識がもうろうとしている
・呼びかけに反応しない
・異常な言動や行動がある(突然走り出す、意味不明な発言など)
・視線が合わない
・ぐったりして水分が取れない

インフルエンザ脳症は主に5歳以下の小児に多く見られ、発熱から1〜2日以内に急速に発症します。早期発見・早期治療が生命予後を左右するため、少しでも「おかしい」と感じたらすぐに受診してください。

注意小児にはアスピリン、ボルタレン、ポンタールなどの解熱剤は使用しないでください。脳症の増悪要因とされています。解熱剤を使う場合はアセトアミノフェン(カロナール等)を選んでください。

高齢者の危険信号

高齢者は典型的な発熱や頭痛が出にくいことがあります。以下の症状に注意してください。

・息切れ、呼吸が速い、呼吸困難
・胸の痛み
・顔色が悪い、唇が紫色
・食欲がなく、ぐったりしている
・意識がぼんやりしている
・一度良くなった後、再び高熱や咳が悪化した(二次性肺炎の疑い)

高齢者の方は二次性細菌性肺炎を起こしやすく、これがインフルエンザによる死亡の主な原因となっています。ワクチン接種により死亡リスクを82%低減できるとされています。

重症化しやすい方(ハイリスク群)

以下に該当する方は、症状が軽くても早めの受診をおすすめします。

年齢・状態基礎疾患
・65歳以上の高齢者
・5歳未満の乳幼児
・妊婦・出産直後の方
・著しい肥満の方
・慢性呼吸器疾患(喘息、COPD)
・糖尿病
・慢性心疾患
・慢性腎疾患
・免疫不全状態

インフルエンザにかかりやすい5つのタイプ|最新研究で判明

インフルエンザにかかりやすい人の5つのタイプ インフォグラフィック

2025年8月、弘前大学・京都大学・大正製薬の共同研究チームが、AIを用いて約1,000人の健康データ(3,000項目以上)を解析し、インフルエンザにかかりやすい人のタイプを特定しました。この研究は権威ある科学誌「Scientific Reports」に掲載されています。

かかりやすい5つのタイプ

血糖値高め

高血糖状態では免疫細胞(特に樹状細胞)の機能が低下し、ウイルスへの抵抗力が弱まります。糖尿病予備群の方も注意が必要です。

肺炎の既往歴

過去に肺炎を経験した方は、呼吸器へのダメージにより感染への脆弱性が高まっています。研究では高リスク群の61.7%が肺炎歴を持っていました。

多忙・睡眠不足

睡眠の質の低下は免疫機能を直接的に低下させることが科学的に証明されています。

栄養不良

野菜不足やビタミンB12低値などが関連。柿に含まれるタンニンには抗ウイルス作用があり、バランスの良い食事が重要です。

アレルギー性鼻炎

花粉症などのアレルギーによる慢性炎症が免疫力を低下させます。「Th2偏向」により、ウイルスに対する初動防御が遅れてしまいます。

重要特に「肺炎歴」「血糖値高め」「睡眠不足」の3つが重なる方は、インフルエンザにかかるリスクが約3.6倍に上昇することが明らかになりました。

心当たりのある方は、ワクチン接種や早めの受診を心がけてください。

 

▼最短15分でわかる「即日アレルギー検査」の詳細はこちら

ご自身のアレルギーの原因を知り、適切な治療で炎症を抑えることは、インフルエンザなどの感染症対策としても非常に有効です。

当院では、注射器を使わず、指先からのわずかな採血で済む新しいアレルギー検査を導入しております。結果が出るまでわずか15分程度ですので、その日のうちに診断・治療方針の決定が可能です。

検査の特徴 ●当日から検査可能(保険適用)
注射が苦手な方や小さなお子様でも安心して受けていただける検査です。
花粉・ダニ・食物など、主要な45項目を一度に調べることができます。「隠れアレルギー」が気になる方は、ぜひ併せてご相談ください。

流行拡大の3つの要因

いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、2025年の異例の流行について以下の要因を指摘しています。

要因①:観光客によるウイルス持ち込み

海外からの観光客増加により、南半球(オーストラリア等)で記録的流行を起こしたサブクレードKが日本に持ち込まれたと考えられています。2025年は大阪・関西万博も開催され、国内外の人の移動がかつてない規模で活発化しました。

要因②:猛暑によるのどの免疫低下

2025年の記録的猛暑でエアコン使用が増加し、乾燥した冷気を吸入することでのどの粘膜免疫が低下しました。

要因③:冬の乾燥との相乗効果

夏のダメージを負った状態で冬を迎え、空気がさらに乾燥。室温20度以上・湿度50〜60%でウイルス感染力が低下しますが、暖房使用で室内がさらに乾燥し、ウイルスが活発に活動しやすい環境となっています。

歯周病がインフルエンザ感染を促進する|口腔ケアの重要性

口腔ケア・歯磨きのイメージ写真

2025年1月、日本大学歯学部の今井健一教授らが画期的な研究を発表しました。歯周病菌がインフルエンザウイルスの感染を直接促進することが世界で初めて証明されました。

歯周病菌が感染を促進するメカニズム

歯周病の原因菌が産生する酵素「ジンジパイン」が、インフルエンザウイルスの細胞への侵入を助けてしまいます。また、口腔内の細菌がウイルスの放出量を20倍にも増加させることが分かっています。

注目高齢者施設での研究では、週1回の専門的口腔ケアにより、インフルエンザ発症率が10分の1に低下(9.8%→1.0%)しました。

日頃からの歯磨き・口腔ケアがインフルエンザ予防に直結します。特に高齢者は誤嚥性肺炎の予防にもつながります。

正しい予防対策|間違った方法していませんか?

インフルエンザ予防対策のイメージ(手洗い)

正しいうがいの方法

帰宅後すぐにガラガラうがいをしています。正しいですか?

先生

実は、いきなりガラガラうがいをすると、口の中の病原体をのどの奥に押し込んでしまう可能性があります。正しい順番で行いましょう。

【正しいうがいの手順】

  1. まず手を洗う(手の清潔を確保)
  2. ブクブクうがい1回:口に水を含み、強くクチュクチュ洗い流して吐き出す
  3. ガラガラうがい3回:上を向いて「お〜」と発声しながら各15秒程度

京都大学研究では、水道水でのうがいにより風邪罹患率が40%減少することが報告されています。

緑茶うがい・緑茶を飲む

緑茶を飲む人のイメージ写真

緑茶に含まれるカテキンには、ウイルスの細胞への吸着を阻害する効果があります。

研究データでは、1日5杯以上の緑茶でインフルエンザ発症率が46%低下。15〜20分ごとに一口ずつこまめに飲むのが効果的です。80℃以上のお湯で淹れるとカテキンが多く抽出されます。

マスクは1日1枚交換を

外出時はずっと同じマスクをつけています。

先生

一日中同じマスクをつけていると、湿気がこもりウイルスが内部にとどまりやすくなります。長時間着用する場合は1日1回は交換し、人がいない場所では外すようにしましょう。外すときは耳のゴム部分を持ち、外側に触らないようにしてください。

こまめな水分補給

水分補給は線毛を覆う粘液を潤し、ウイルスを体外へ排出しやすくします。15〜30分に1回、少量の水を飲むことで、のどに付着したウイルスが胃へ流れ込み、胃酸で死滅します。ウイルスは喉に付着後最速20分程度で体内侵入するため、それより短い間隔での補給が効果的です。

室内の温度・湿度管理

インフルエンザウイルスは低温・乾燥した環境で活発に活動します。室温20度以上、湿度50〜60%を保つことで、ウイルスの感染力を低下させることができます。

咳エチケット|周囲にうつさないために

インフルエンザをはじめ、咳やくしゃみの飛沫により感染する感染症は数多くあります。「咳エチケット」とは、これらの感染症を他人にうつさないために、咳・くしゃみをする際にマスクやティッシュ・ハンカチ、袖を使って口や鼻をおさえることです。

注意咳やくしゃみをすると、しぶき(飛沫)が約2メートル飛びます。飛沫には病原体が含まれている可能性があり、特に電車や職場、学校など人が集まる場所での実践が重要です。

3つの正しい咳エチケット

マスクを着用している人のイラスト

① マスクを着用する

鼻からあごまでを覆い、隙間がないように正しくつけましょう。取扱説明書をよく読んで着用してください。

ティッシュで口を覆う人のイラスト

② ティッシュ・ハンカチで覆う

口と鼻を覆ったティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てましょう。その後は手を洗うことも忘れずに。

袖で口を覆う人のイラスト

③ 上着の内側や袖で覆う

とっさの時はひじの内側で口と鼻を覆います。手のひらで覆うよりも、周囲への感染リスクを減らせます。

やってはいけない咳・くしゃみの仕方

やってはいけない咳・くしゃみの仕方

NG以下の行為は周囲に感染を広げる原因になります。

❌ 手でおさえる

咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着します。ドアノブなどを介して他の人に病気をうつす可能性があります。

❌ 何もせずにする

咳やくしゃみをすると、しぶきが約2メートル飛びます。しぶきには病原体が含まれており、周囲の人に直接病気をうつす可能性があります。

ポイント咳エチケットの後は、必ず手を洗いましょう。手洗いをすることで、手についた病原体が広がるのを防ぐことができます。

ワクチンは重症化予防に効果あり

インフルエンザワクチンのイメージ写真

サブクレードKは従来の免疫が効きにくい変異株ですが、ワクチンの重症化予防効果は維持されています

年齢層入院予防効果
小児・青年(2〜17歳)72〜75%
成人(18歳以上)32〜39%
高齢者(65歳以上)の死亡予防約80%

「かかる人は増えるが、打っておけば重症化リスクをかなり下げられる」という状況です。特にお子様と高齢者は接種が強く推奨されます。まだ接種していない方は、今からでも接種をご検討ください。

お知らせ2026年10月からは、75歳以上の方を対象に「高用量インフルエンザワクチン」(従来の4倍の抗原量)の定期接種が始まります。75歳以上で24.8%高い発症予防効果が確認されています。

当院で選べるワクチンの種類と助成制度

当院では、患者様のご体質やご希望に合わせて安心して接種いただけるよう、通常のワクチンに加え、以下のタイプもご用意しております。

水銀フリーワクチン
(チメロサールフリー)

保存料(有機水銀)を含まない製剤です。添加物が気になる方や、妊娠中の方にもより安心して受けていただけます。

注射しないワクチン
(フルミスト)

鼻の中にスプレーするタイプの「痛くない」ワクチンです。注射が苦手なお子様(2歳~19歳未満)におすすめです。

費用について 当院では、豊島区のインフルエンザワクチン助成金をご利用いただけます。
また、東振協・あまの創建などの企業発行の接種券(利用券)も対応しております。
対象となる方は、接種費用の自己負担を軽減できますので、ぜひご活用ください。

▼各種ワクチンの詳細な料金や、予防内服(自費診療)の価格についてはこちらをご確認ください。

お知らせ2026年10月からは、75歳以上の方を対象に「高用量インフルエンザワクチン」(従来の4倍の抗原量)の定期接種が始まります。75歳以上で24.8%高い発症予防効果が確認されています。

 

治療薬はサブクレードKにも有効です

抗インフルエンザ薬のイメージ(タミフル・イナビルなど)

安心サブクレードKに対しても、タミフル・イナビル・リレンザ等の抗インフルエンザ薬は従来通り有効です。広い範囲で耐性が問題になっているという報告はありません。

主な治療薬一覧

薬剤名投与方法投与回数効果
タミフル内服1日2回×5日有効
イナビル吸入1回のみ有効
リレンザ吸入1日2回×5日有効
ゾフルーザ内服1回のみ12歳未満は慎重投与
ラピアクタ点滴1回のみ重症例で使用

▼各種予防内服の詳細な価格についてもこちらをご確認ください。

48時間以内の治療開始がおすすめ

重要抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に服用を開始することで最大の効果を発揮します。「おかしいな」と思ったら、早めの受診をお願いいたします。

検査のベストタイミング:発症(発熱)から12時間以上経過後〜48時間以内が理想的です。早すぎるとウイルス量が検査閾値に達しておらず、検出できない場合があります。

注意抗インフルエンザ薬を使用しても、出勤・登校時期は短縮されません。症状は早く軽快しても、感染性は一定期間残るためです。

出席停止・出勤停止の期間について

出席停止期間のイメージ

学校・保育園の出席停止期間(学校保健安全法)

基準発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで

※発症日・解熱日を0日目として数えます。

対象出席停止期間
小学生以上発症後5日経過 かつ 解熱後2日経過するまで
幼児(保育園・幼稚園)発症後5日経過 かつ 解熱後3日経過するまで

【例】水曜日に発症した場合 → 木・金・土・日・月の5日間経過後、最短で火曜日から登校可能(解熱日によっては延長)

大人(社会人)の出勤停止について

大人には法律上の明確な出勤停止義務はありませんが、多くの企業では学校保健安全法の基準を参考に「発症後5日以上かつ解熱後2日以上」を目安としています。

【大人の目安】
・発症後5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで療養が推奨されます
・ウイルスは発症前日から発症後5〜7日程度、他人にうつす力があります
・解熱しても体内でのウイルス排出はすぐには止まりません
・まずは勤務先の就業規則を確認してください

お知らせ厚生労働省は、職場がインフルエンザに感染した従業員に対し、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくないとしています。当院でも原則として発行しておりません。

家族がインフルエンザになったら

家庭内感染予防のイメージ(換気・消毒)

家族内でインフルエンザ感染者が出た場合、以下の対策で二次感染を防ぎましょう。

家庭内での感染対策

【感染者の隔離】
・可能であれば別室で療養してもらう
・看病する人を限定する(できれば健康で免疫力のある1人に)
・高齢者、乳幼児、基礎疾患のある家族は接触を避ける

【衛生管理】
・タオル、食器、リモコンなどの共有を避ける
・ドアノブ、スイッチなど頻繁に触れる場所はアルコールで消毒
・感染者・看病者ともにマスクを着用

【換気】
・感染者の部屋も含めて、定期的に換気を行う
・1時間に5〜10分程度、窓を開けて空気を入れ替える

予防投与について

家族がインフルエンザになりました。予防的に薬をもらえますか?

先生

予防投与は、ハイリスク者(高齢者、基礎疾患のある方など)が感染者と接触した場合に検討されることがあります。ただし、すべての方に推奨されるわけではありません。ご本人の状態を確認したうえで判断いたしますので、まずはご相談ください。

この冬を乗り切るために|まとめ

押さえておきたいポイント

① 症状の先入観を捨てる
「関節痛がない=インフルじゃない」ではありません。高熱と咳・鼻水があれば受診をご検討ください。消化器症状(吐き気・下痢)にも注意が必要です。

② 早期発見・早期治療
タミフル、イナビルなどの治療薬は、変異株であっても有効です。発症から48時間以内の服用開始が重要です。検査は発症から12時間以上経過後が理想的です。

③ ワクチンの意義を理解する
「かからない」ためだけでなく、「重症化させない」ために接種するという認識が大切です。特に小児と高齢者は接種が強く推奨されます。

④ 口腔ケアも予防になる
歯磨きなど日頃の口腔ケアがインフルエンザ予防に直結します。発症率が10分の1になるというデータもあります。

⑤ 重症化サインを見逃さない
小児のけいれんや意識障害、高齢者の呼吸困難などは緊急サインです。すぐに医療機関を受診してください。

当院のインフルエンザ検査・診療について

総合哀歌のサムネイル

当院では、最新の流行状況を踏まえた検査・診療を行っております。

即日検査対応

従来の鼻腔ぬぐい液による迅速検査から、痛みの少ないインフルエンザ検査nodocaにも対応。鼻の検査が苦手な方も安心です。

平日夜間・土日祝日も診療

お仕事帰りでも受診いただけます。当日予約も承っております。

池袋駅すぐ

豊島区池袋駅東口から徒歩圏内。アクセス良好な立地です。

のどの痛みや急な発熱など、少しでも不安を感じた際は、無理をせずご相談ください。

 

よくあるご質問

熱が37度台でもインフルエンザの可能性はありますか?

先生

はい、可能性はあります。特に「隠れインフル」では高熱が出ないケースもあります。また高齢者は典型的な発熱が出にくいことがあります。咳や鼻水、倦怠感がある場合は検査をおすすめします。

 

検査はいつ受けるのがベストですか?

 

先生

症状が出てから12時間以上経過後が理想的です。早すぎるとウイルス量が少なく、正確に検出できない場合があります。ただし、48時間以内の治療開始が効果的なので、12〜48時間の間に受診いただくのがベストです。

 

ワクチンを打っていても検査は必要ですか?

 

先生

はい、必要です。今年流行しているサブクレードKはワクチンの効果が弱まる可能性がありますので、ワクチン接種済みでも感染する場合があります。ただし、ワクチンは重症化予防に効果がありますので、接種した意味は十分にあります。

 

いつから仕事(学校)に行けますか?

 

先生

学校の場合は「発症後5日経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)経過するまで」が基準です。大人も同様の目安が推奨されます。解熱してもウイルス排出は続いているため、「熱が下がった=もう大丈夫」ではありません。

 

子供が異常な行動をしています。すぐに受診すべきですか?

 

先生

はい、すぐに救急受診してください。けいれん、意識障害、異常な言動はインフルエンザ脳症の可能性があります。発熱から1〜2日以内に急速に発症するため、早期発見が非常に重要です。

 

家族がインフルエンザになりました。予防的に薬をもらえますか?

 

先生

予防投与については、ご本人の状態(高齢、基礎疾患の有無など)を確認したうえで判断いたします。すべての方に推奨されるわけではありませんが、まずはご相談ください。

その他ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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