腹痛(胃腸炎)でお困りの方へ
急な腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状でお悩みの方は、迅速な診断と適切な治療が重要です。池袋東口まめクリニックでは、急性胃腸炎の診断から治療まで総合的にサポートいたします。

急にお腹が痛くなって、下痢と嘔吐が止まりません。何か悪いものを食べたのでしょうか?

急性胃腸炎の可能性があります。症状の詳細を伺い、必要に応じて便検査や血液検査を行います。脱水の程度も評価して適切な治療を行いましょう。
腹痛(胃腸炎)について
急性胃腸炎とは?
ウイルスや細菌などによって引き起こされる胃と腸の急性炎症です。胃や腸などの消化管が炎症を起こすことにより、下痢、嘔吐、腹痛、発熱などを生じます。重要:急性胃腸炎は一般的に「食中毒」と誤解されることがありますが、食中毒は胃腸炎の特定の原因の一つです。
食中毒と胃腸炎の関係:- 食中毒は食品を通じた特定の急性胃腸炎
- 全ての食中毒が胃腸炎ではない
- 全ての胃腸炎が食中毒ではない
胃炎・腸炎・胃腸炎の違い
炎症を起こしている部位によって病名が決まります。胃炎:- 主な症状:嘔吐・みぞおちの痛み
- 炎症部位:胃
- 主な症状:下痢
- 炎症部位:腸
- 主な症状:嘔吐と下痢の両方
- 炎症部位:胃と腸の両方
このような症状はありませんか?
急性胃腸炎の主な症状
- 腹痛(みぞおち・右側・左側・下腹部など様々な部位)
- 下痢
- 嘔吐・吐き気
- 発熱
- 全身倦怠感
- 汗や冷や汗
症状の特徴
- 段階的に自覚することもある
- 急に生じることもある
- 排便後の改善が乏しい
- 一般的に数日間持続
注意 便秘による腹痛は排便後に改善しますが、胃腸炎による腹痛は改善が乏しいのが特徴です。
緊急受診が必要な場合

症状が長く続いていて、水分も取れません。病院に行った方がいいでしょうか?

脱水の可能性があります。特に小児や高齢者では深刻になることがあるため、すぐに受診してください。点滴治療が必要な場合もあります。
症状が長期にわたって持続する場合、脱水と電解質不均衡のリスクが生じます。特に小児や高齢者にとって深刻な問題となり得ます。
脱水の危険な症状
- 血圧の低下
- 腎不全
- ショック状態
- 意識障害
- 尿量の著明な減少
他の腹痛との鑑別が必要
- 虫垂炎:右下腹部痛
- 憩室炎:左下腹部痛
- 胃炎・胃潰瘍:みぞおちの痛み
- 消化管穿孔:激しい腹痛
胃腸炎の原因
細菌性胃腸炎
主な病原細菌(1)
サルモネラ(Salmonella)- 感染源:汚染された食品・水・生肉・卵・乳製品
- 潜伏期間:数時間~2日
- 症状:下痢・発熱・腹痛
- 感染源:生または加熱不十分な鶏肉
- 潜伏期間:2日~5日
- 症状:下痢(血性)・発熱・腹痛
- 感染源:汚染された食品・水
- 潜伏期間:3日~5日
- 症状:血性下痢・腎不全(重症例)
主な病原細菌(2)
黄色ブドウ球菌(S. aureus)- 感染源:エンテロトキシン産生食品
- 潜伏期間:2~6時間
- 症状:激しい嘔吐・疝痛性腹痛・下痢
- 感染源:生または調理不十分な海産物
- 潜伏期間:12~24時間
- 症状:水様性下痢・腹痛・発熱・嘔吐
- 感染源:人から人への接触
- 潜伏期間:1日~3日
- 症状:重度の下痢・発熱・腹痛
特殊な細菌
クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)- 感染源:抗生物質使用に関連
- 症状:重度の下痢
- 特徴:院内感染の原因
これらの細菌は、食品の取り扱いや調理の方法、個人衛生の実践によって予防可能です。
ウイルス性胃腸炎
主なウイルス(1)
ノロウイルス- 感染源:人から人・汚染食品・水
- 潜伏期間:12~48時間
- 症状:急激な嘔吐・下痢・腹痛・時に発熱
- 特徴:冬季に流行
- 感染源:汚染された水・食物・手から経口感染
- 潜伏期間:2日前後
- 症状:下痢・嘔吐・発熱・脱水
- 特徴:幼児・小児に多い
主なウイルス(2)
アデノウイルス- 感染源:汚染された水・食品・接触
- 潜伏期間:3日~10日
- 症状:下痢・呼吸器症状
- 特徴:主に子供に発症
- 感染源:食品・水・接触
- 潜伏期間:1~4日
- 症状:軽度~中度の下痢・嘔吐・腹痛・発熱
- 特徴:幼児・免疫力低下者に多い
その他のウイルス
サポウイルス- 感染源:人から人・汚染食品・水
- 潜伏期間:1~4日
- 症状:嘔吐・下痢・腹痛
予防法 適切な衛生習慣、手洗い、食品の安全な取り扱い、十分な調理によって予防可能です。
季節による胃腸炎の特徴
夏の胃腸炎
細菌性胃腸炎が主体(高温多湿で細菌が増殖しやすい)
- カンピロバクター
- サルモネラ
- 腸炎ビブリオ
- 生ものの取り扱いに注意
- 海産物の適切な調理
- 食品の適切な保存
冬の胃腸炎
ウイルス性胃腸炎が主体(密閉空間・集団生活で感染拡大)
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- 手洗いの徹底
- 生食用食品の慎重な取り扱い
- 集団生活での感染対策
診断と検査について
池袋東口まめクリニックでは、症状や重症度に応じて適切な検査を実施いたします。新宿三丁目メディカルクリニックと提携し、腹部CTによる詳細な評価も可能です。
当院での検査
問診・身体診察
- 症状の詳細聴取
- 発症のタイミング・経過
- 摂取した食品・水の確認
- 周囲の感染状況
- 腹部の触診・聴診
- 脱水の程度評価
便培養検査
- 清潔な容器での新鮮な便採取
- 病原細菌の特定
- 結果まで数日かかる場合あり
- 重症例や集団発生時に実施
血液検査・画像検査
血液検査
- 電解質(ナトリウム・カリウム)
- 脱水状態の評価
- 炎症マーカー(CRP、白血球数)
- 腎機能(脱水による影響)
腹部CT検査(提携医療機関)
- 虫垂炎・憩室炎との鑑別
- 腸閉塞の除外
- 消化管穿孔の評価
- 重篤な合併症の早期発見
臨床診断
実際の診療では 症状や周囲の感染状況に応じて、検査を行わずとも臨床的に診断することも少なくありません。
臨床診断の適応:- 嘔吐や下痢の頻度が極端でない
- 基礎疾患がない
- 全身状態が安定している
- 脱水の兆候が軽度
治療について
基本的な治療方針
胃腸炎の治療は主に対症療法となります。原因のウイルスや細菌が体外に排出されれば症状は治るため、症状緩和と脱水予防が治療の中心です。

下痢がひどいので、下痢止めを飲もうと思うのですが…

実は下痢止めの積極的な使用は推奨されません。病原体が体外に排出されにくくなり、症状が長引く可能性があります。整腸薬などで対応いたします。
対症療法
吐き気に対して:- 制吐薬(プリンペランなど)
- 少量ずつ頻回の水分摂取
- 整腸薬(ビオフェルミンなど)
- 腸内環境の改善
- 止痢剤は基本的に使用しない
- アセトアミノフェン(カロナール)
- ロキソニンなどの解熱鎮痛薬
薬物療法の注意点
抗生物質について: 特定の細菌性胃腸炎にのみ使用され、ウイルス性胃腸炎には効果がありません。
止痢剤の危険性: 腸の動きを遅らせ、感染症原因物質や毒素が体内に長く留まる可能性があります。特に大腸菌O157感染時には重篤な合併症のリスクがあります。
整腸剤の効果:- 腸内環境の改善
- 健康な腸内細菌バランスの回復
- 下痢の改善
- 免疫力のサポート
脱水治療
経口補水療法
軽度から中等度の脱水には経口補水液が第一選択です。
推奨される飲み物:- 経口補水液(OS-1など)
- スポーツドリンク
- 適切な比率の糖質と電解質を含有
- 少量ずつ頻繁に摂取
- 嘔吐がある場合は特に注意
- 一気に大量摂取は避ける
点滴治療
重度の脱水状態や経口摂取が困難な場合に実施します。点滴の適応:- 重度の脱水状態
- 経口摂取が不可能
- 経口摂取が不十分
- 電解質異常が著明
- 生理食塩水
- 乳酸リンゲル液
- 必要に応じて電解質や糖分を追加
経口摂取が可能な場合は、必ずしも点滴は必要ありません。
食事療法
推奨される食事
消化の良い、刺激性の少ない食事が推奨されます。適した食品:- バナナ
- リンゴ
- 白米
- おかゆ
- トースト
- うどん
避けるべき食品
刺激の強い食品や脂肪分の多い食品は避けましょう。避けるべき食品:- 脂肪分の多い食品
- 辛い食品
- アルコール
- カフェイン
- 乳製品(一時的に)
- 生ものや半生の食品
予防について
基本的な予防策
手洗い・うがい
感染性胃腸炎の予防には手洗いが最も効果的です。
- 石鹸と水で物理的にウイルス・細菌を除去
- トイレ後・食事前・調理前後に徹底
- アルコール消毒も併用
食品の安全な取り扱い
- 生の食品と調理済み食品を分ける
- 食品は十分に加熱
- 適切な温度での保存
- 賞味期限の確認
免疫力の維持
胃腸炎になる人とならない人の違い
同じ環境でも、個人の免疫力によって発症の有無が決まります。免疫力を高める要因:- 健康な腸内細菌叢
- 良好な栄養状態
- 十分な休息・睡眠
- 適度な運動
- ストレス管理
- 健康的なライフスタイル
池袋東口まめクリニックの治療方針
胃腸症状を訴える患者様に対して、詳細な問診と適切な身体診察を行い、緊急性を適切に判断いたします。症状に応じた検査と治療により、患者様の早期回復をサポートいたします。
初期評価・緊急性の判断
- 詳細な問診(症状・経過・摂取食品)
- 身体診察(腹部触診・聴診)
- 脱水の程度評価
- 緊急性の適切な判断
提携医療機関との連携
- 緊急性を要する場合の迅速な紹介
- 新宿三丁目メディカルクリニック提携
- 腹部CT検査による詳細評価
症状に応じた検査
- 血液検査(電解質・炎症マーカー)
- 便培養検査(必要時)
- 脱水状態の客観的評価
- 重症度に応じた追加検査
適切な対症療法
- 症状に合わせた薬剤選択
- 整腸薬による腸内環境改善
- 制吐薬・解熱鎮痛薬の適切な使用
- 止痢剤の慎重な判断
脱水治療・栄養指導
- 経口補水療法の指導
- 必要時の点滴治療
- 食事療法の具体的指導
- 回復期の食事管理
継続的なフォロー
- 土日祝日も診療
- 症状改善の確認
- 合併症の早期発見
- 院内処方での迅速対応
当院の対応フロー
- 初期評価:問診・聴診・触診による緊急性の判断
- 緊急時:提携総合病院への迅速な紹介
- 一般的な場合:必要に応じて採血・便検査を実施
- 治療開始:適切な内服治療の開始
- フォローアップ:症状持続時は追加検査・治療を検討
腹痛・胃腸炎の症状でお困りの方へ 急な腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状でお悩みの方は、自己判断で様子を見ずにお気軽にご相談ください。症状が長引く場合は脱水のリスクもあるため、適切な診断と治療で早期回復を目指します。
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